「姿勢を良くする」とは、止まっている立ち姿のこと?
「姿勢を良くしましょう」と言われると、多くの人が“止まった姿勢”=静止しているときの姿勢を意識しがちです。 でも実際に、日常で私たちの身体に大きく影響を与えているのは、“動いているときの姿勢=動的姿勢”です。
たとえば、歩き方、階段の昇り降り、立ち上がり、荷物を持つ動作…… これらの中でどんな身体の使い方をしているかが、
- ヒップライン
- 脚のライン(O脚・X脚)
- くびれや腹部のたるみ
などに影響していることをご存知ですか?
静的姿勢と動的姿勢の違いとは?
- 静的姿勢:立っている・座っているときの姿勢
- 動的姿勢:歩く・しゃがむ・体をひねるなど、動いている最中の姿勢
人は本来“動く生き物”です。 止まっている姿勢だけを整えても、実際の生活ではすぐに崩れてしまいます。 美脚やヒップアップ、そして呼吸の安定までも、本質的には「動いているときの身体の使い方」が土台となっているのです。
床を押す感覚が、姿勢と脚を変える
良い姿勢を作ろうとして、背筋をただグッと伸ばしていませんか? でも、実はそれ、脚にばかり負担をかける立ち方かもしれません。
本当に大切なのは、足裏で床をしっかり押すこと。 床を押す感覚があると、その反力を使って背骨が自然に積み上がっていきます(=脊柱の自然な伸展)。
これにより:
- 骨盤が安定し
- 脊柱が立ち上がり
- 呼吸が深くなり
- 前ももやふくらはぎの過剰な負担が減る
結果的に、脚のラインが整い、お尻の筋肉が自然に使われるようになります。
動きの中で「美しい姿勢」を体感してみる
ワーク:その場で背筋を伸ばして立ってみる → 無意識に力が入り、呼吸が浅くなりませんか?
次に、足裏で床をそっと押してみるように立つ → 力まず、背骨がスッと伸びる感覚。呼吸も入りやすくなり、肩もリラックス。
この状態で少し歩いてみましょう。 → 前ももで“踏ん張る”感じが薄れ、骨盤がスムーズに動くようになっていませんか?
これが、「動的姿勢が整った状態」の第一歩です。
動的姿勢を整える3つの再学習ステップ
ステップ1:呼吸で背骨を目覚めさせる
- 壁にもたれて深呼吸:背中側に肋骨が膨らむ感覚を意識
- 力を抜いて、背骨を真上に伸ばすイメージ
ステップ2:足裏の重心感覚を取り戻す
- 足裏3点(かかと・親指・小指)で地面を軽く押す
- 重心がどこにあるかを感じながら立つ&歩く
ステップ3:骨盤から歩く感覚を育てる
- 「足を出す」意識より、「骨盤が前に流れる」感覚で歩いてみる
- 体幹で移動し、脚はついてくるだけ…という感覚を探る
まとめ:止まったままの“いい姿勢”では、美しさはつくれない
前回の記事では「足指や足裏の感覚がヒップアップに直結する」ことをお伝えしました。
今回は、その“感覚”をどう動きに活かすか=動的姿勢にフォーカスしました。

止まっている姿勢だけを気にするのではなく、
- 歩くとき
- 立ち上がるとき
- 階段をのぼるとき
そんな“動いているときの姿勢”が整ってこそ、
- お尻は自然に引きあがり
- 脚は細くなり
- くびれや呼吸も整っていく
つまり、足裏から背骨へと感覚をつなげることが、美しさと機能の両方を育てる鍵なのです。
今日からぜひ、「動いているときの姿勢」にも目を向けてみてくださいね。
前回の記事↓
【ヒップアップしないのは“足指”のせい!?】骨盤と足のアーチをつなぐ秘密